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2019.04.27

妊婦さんのレントゲン 2019.4.27

妊婦さんがクリニックにはたくさんいらしています。
妊娠中は『安定期の治療』がベストです!!
妊娠後期になると、お腹が大きくなって診療チェアで横になっていることも大変ですし、出産後は子育てでなかなか時間が取れず、治療のタイミングを失ってしまいがちですから。

妊娠初期
4か月(15週まで)

妊娠4~8週の治療は特に慎重に取り組みたいですね。
12週までの処置はできるだけ診査してこれからの治療計画を立て、歯磨き指導をしておきます。
歯の痛みや、歯茎の晴れなどの急性症状が出る場合は、応急処置を行って本格的な治療は安定期に入ってから開始するようにしています。

妊娠中期
5~7か月(16~27週)

妊娠中期は胎児が胎盤によって安定し、通常の歯科治療をはじめレントゲン撮影や投薬も可能になる時期です。
比較的に安定するこの時期に虫歯や歯周病などの治療に取り掛かります。

妊娠後期
8か月(28週)以降

妊娠後期は早産などの危険を回避するために処置は応急的なものに留めておきます。
お腹が大きくなるので、仰向けでの受診も大変な時期になります。
治療が必要な場合もこの時期に避けてできるだけ応急処置にして出産後に治療を再開します。

では、レントゲンはどうでしょうか。
お口を焦点にした歯科のレントゲン撮影はお腹から距離は離れていて撮影する面積も狭く、被爆線量も少ないので赤ちゃんはもちろん、お母様ご自身への影響も少ないと考えられています。
X線の遮断のために撮影時には防護用エプロンを着用しますのでお腹の赤ちゃんへの影響はほぼありません。

国際放射線防護委員会(ICRP)によりますと、
妊娠2~8週の器官形成期に100ミリシーベルトを超えると奇形の恐れがあり、8~15週の胎児が120ミリシーベルト以上の放射を受けると、精神発達が生じる恐れがあると考えられています。
このように色々な影響を受けやすい妊娠中期では実際に2500回以上撮影して初めて問題になるレベルですので、被爆線量といってもケタが違います。
地球上で1年間に浴びる自然放射線量は日本ではおよそ2.3mSV(ミリシーベルト)ということです。
同じ放射線量でデジタルフィルムは150枚以上、パノラマは100枚以上撮影できることになります。デジタル化していますので従来のX線撮影での1/2~1/10の被ばく量で済みます。
歯科のレントゲン撮影は頭部のみで直接お腹にX線を照射しませんので歯科医学的検査におけるレントゲン撮影は胎児に影響を与えないと言われています。
放射線を避けるプロテクター(X線を1/100に減弱させる)もしっかり腹部につけます。
レントゲンよりも歯の緊急事態やストレスの方が胎児への影響が多いかもしれませんね。

この高エネルギーを持つ震磁波X線は体内に留まることはなく、1年に必ず浴びている自然放射線量を考えると歯科のX線に限りなくゼロに近くなります。
レントゲンの心配はしないで治療を優先しましょうね。

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