親知らずとは
親知らずは、永久歯の歯列の一番奥に生える歯です。第三大臼歯と呼ばれ、前歯から数えて8番目の歯にあたります。 通常は上下の左右に1本ずつ、計4本ありますが、必ず生えてくるものではありません。埋まったままの方もおられますし、そもそも親知らずが存在しないという方もおられます。親知らずがあるのか、生えているのか埋まっているのかまだ知らないという方は、歯科医院でその状態を診てもらうことをおすすめします。 親知らずの中には、他の歯とは違ったリスクを抱えているケースがあるためです。
当院の親知らずの特徴
当院では、親知らずの抜歯後にレーザー(YAGレーザー)を使用しています。
レーザー治療のメリット
- 抜歯後腫れることがほとんどありません
- 術後の傷口の回復を早めます
- ほぼ無痛で治療を受けられます
- 治療困難な患部を殺菌・消毒し、治療が可能になります
さまざまな悪影響を誘発する親知らず
親知らずの中には、以下のように、お口の健康に悪影響を及ぼすものが存在します。
スペースが足りないために…
- 傾いて生え、隣の歯を押し、歯並びを乱す
- 埋まったまま、周囲の歯ぐきを圧迫して炎症を起こす
- 正しく生えたが、咬み合う親知らずが生えてこずに長く伸び、最後には抜け落ちる
- 隣の歯の根元を吸収する
歯ブラシが届かないために…
- 十分なケアができず、親知らずやその手前の歯の虫歯リスクが高まる
- 歯ぐきで炎症を炎症を起こす歯周病菌が増え、歯周病のリスクが高まる
親知らず=抜歯ではございません
右下の親知らずを保存するケース(手前の歯をEXTして親知らずをけん引します)
術前
術後
上だけの抜歯のケース
術前
術後
炎症があるので4本抜歯のケース
術前
術後
全体矯正治療(4本抜歯)
術前
術後
親知らずときくと、抜かなければならない、と考えている方がおられますが、そうとは限りません。 生えている場合にも、埋まっている場合にも、お口の中に悪影響を及ぼしておらず、近い将来の口腔トラブルのリスクが低い場合には、残しておける歯です。 ただし、この判断は患者様ご自身でできるものではありません。必ずしも痛むものではありませんので、症状の有無にかかわらず、歯科医院で現在の親知らずの状態を調べてもらい、歯科医からアドバイスを受けることをおすすめします。 なお、比較的顎の骨がやわらかく自然治癒力の高い20代前半で抜歯することで、術後の腫れを抑えることができると言われています。
親知らず抜歯の流れ
Step1ご予約
インターネットまたはお電話でご予約ください。
予約日の初診で抜歯までを済ませたいという場合には、その旨をお伝えください。またその際には、抜歯後1週間程度の腫れ(個人差があります)をご考慮の上、日程をお決めになってください。
※炎症の状態、痛みの程度などによっては、たとえご希望になっても、初診日に抜歯ができない場合がございます。予めご了承ください。
※妊娠中、授乳中の方は、必ずご予約の際にその旨をお伝えください。特別な準備、産婦人科の担当医との連携が必要になることがあります。
Step2ご来院
ご来院後、まずは受付にお越しください。初診の方は、健康保険証のご提示をお願いします。
問診票への記入をお済ませになったら、待合室でお待ちください。
パウダールームをご用意しておりますので、診察前に歯磨きをしてくださっても結構です。
Step3問診
症状・ご希望を詳しくお伺いします。次回以降に抜歯を行う場合は、その日程の調整もいたします。大切なご予定がございましたら、その日に影響がないようにスケジューリングいたしますので、ご遠慮なくお伝えください。
Step4検査
歯ぐきの状態を観察し、親知らずの抜歯が可能かどうか判断します。
また、親知らずの状態を知るため、レントゲン撮影を行います。より詳しい情報が必要なときには、CT撮影を行います。
Step5抜歯前のクリーニング
お口の中がきれいな状態で抜歯に臨むことで、抜歯後の炎症を抑えることができます。
普段からきちんとお手入れができており、お口の中がきれいな方はこの工程は不要です。
Step6抜歯
いよいよ親知らずの抜歯です。
麻酔をかけてからの処置となりますので、痛みはありません。また、上の歯であれば数秒間で抜歯が可能になり、下の歯は状態に応じて異なります。抜歯中に、もし痛むようでしたら、麻酔を追加いたしますのでご安心ください。
抜歯後の注意点につきましては、こちらをご覧ください。
Step7消毒・観察
抜歯の翌日、消毒のためご来院いただきます。お口の中を拝見し、患部を含めて異常がないか観察します。
Step8抜糸
抜歯後に縫合した場合は、約10日後、抜糸のために再度ご来院いただきます。
Step9定期検診
親知らずの抜歯後も、できるだけ定期検診に通うようにしましょう。
虫歯・歯周病などの口腔トラブルの予防処置、クリーニングを受け、きれいで健康なお口を長く保ちましょう。当院では、お口回りの審美性を向上させるメニューも豊富に取り揃えております。
親知らずの症例
<術前>隣り合わせの歯との間に汚れがたまり腫れを繰り返していた患者様
<術後>隣りの歯に引っかかっているので2つに割ってから抜歯いたしました。抜いた後はしっかりとレーザーを当てて腫れないようケアをいたしました。
親知らず抜歯後の注意点
痛みについて
当クリニックではレーザー処置を行うため抜歯後の痛みはほとんどございません。また、抜歯直後になるべく痛みが出ないように、処方する痛み止めの服用で痛みを抑えます。
腫れについて
通常、抜歯後2日以内が腫れのピークと言われておりますが、当クリニックではレーザー処置と咬合適宜を行い、ほとんど腫れることはありません。
腫れの軽減には軽い冷却が有効です。ただし、冷やし過ぎると治癒が遅れますのでご注意ください。冷却ジェルシートや、保冷剤をタオルでくるんだもので冷やす程度に留めましょう。
麻酔について
抜歯後1~2時間で麻酔が切れます。その間は、食事を摂らないでください。感覚が鈍っているため、舌を噛んだり、患部を傷つけてしまうことがあります。
出血について
抜歯後は、親知らずを抜いたところから出血があります。ご帰宅後に出血がある場合には、清潔なガーゼを噛んで止血します。
うがいをすると出血がひどくなりますので、唾と一緒に吐き出すようにしてください。
また、飲酒、激しい運動、入浴、サウナは血行を促進して出血を悪化させます。当日は控えてください。(シャワーは構いません)
抜歯後の穴について
気になるでしょうが、舌、指、歯ブラシなどで患部を刺激しないでください。お米などが入り込んでしまったときも同様です。しばらくすると自然に取れますので、我慢しましょう。
刺激によって固まりかけていたかさぶたが取れると、再度出血します。治癒が遅れたり、感染を起こすこともありますので、注意が必要です。
なお、抜歯後の穴は数カ月をかけて徐々に塞がっていきます。
妊娠中の親知らずについて
ホルモンバランスの変化、食事の回数の増加、つわりによるセルフケアの不足などにより、妊娠中は歯ぐきの状態が悪化しやすい時期です。それまで全く無症状だった方が、妊娠して急に親知らずが痛み始めるということは珍しくありません。 妊娠中であっても、安定期などに親知らずの抜歯を行うことは可能です。レントゲン撮影や麻酔処置なども、お母様や胎児の健康に悪影響を及ぼすことはないとされています。しかし実際にそのような状況に置かれたお母様は「できれば避けたい」と感じられることがほとんどです。 妊娠を希望されている方は、痛みなどの症状の有無に関係なく、妊娠前に親知らずの状態を調べておくことをおすすめします。